2017年11月26日

研究にご参加される方へ

「スマートフォン・アプリケーションを用いた過敏性腸症候群の研究」のご説明

研究の目的と意義

私どもは、腹痛や腹部不快感が生じると下痢や便秘などの排便異常を示す、過敏性腸症候群の診療と研究を長年行っています。通常、腹痛や腹部不快感があるときは、トイレに駆け込みたいという便意も生じます。そのため、腹部症状が出る前と症状が出ているときの生体の情報を病院や研究所で集めることが困難であり、病気の解明や治療法の開発が難しいことが問題になっていました。このたび、iPhoneなどの携帯機器を用いて、日常生活中における過敏性腸症候群の症状に関する臨床研究を行なうこととなりました。

一般成人の約15%が過敏性腸症候群とされ、ストレスが影響していることもあります。一般的な血液検査や、腹部画像検査、内視鏡などで異常がなく、適切な診断や治療を受けるまで時間がかかる場合もあります。学校や仕事など日常生活で困ることも多く、iPhoneと関連機器が過敏性腸症候群の症状出現予測ツールとなれば、困っている患者さんの生活の質をあげられることにつながると考えます。また過敏性腸症候群の啓蒙が行き分かっていない地域も多くあり、本研究によって、参加者の方の大まかな位置情報を頂くことによって、過敏性腸症候群にご興味を持って頂いている方や、過敏性腸症候群の可能性がある方の国内分布を調査・解析します。

この研究は国が定めたルールに従って行われ、参加される患者さんが不利益を受けないよう、東北大学大学院医学系研究科倫理委員会で「スマートフォン・アプリケーションを用いた過敏性腸症候群の研究」として十分検討されて承認され、研究機関の長により実施が許可されています。

研究に参加いただける方

研究に参加いただけるのは、20歳以上の日本語理解可能で、Apple社iPhoneアプリケーションが利用可能な方、研究参加について本人からiPhone上で同意が得られる方です。

データ収集

このアプリケーションは、Apple社が世界中のiPhoneを利用する方が医学研究に参加できるように作られた「ResearchKit」というテンプレートを用いて作成されています。お腹に関するアンケートや、iPhoneのヘルスケアアプリと連携して、腹痛や排便、また日常の活動に関して情報を収集します。

ご提供頂きたい内容

(アンケート)

  • 生年月日
  • 過敏性腸症候群の世界基準をもとにしたアンケート
  • 関連した腹部や身体のアンケート
  • お住いの地域(詳細位置を特定する情報は頂きません)

(自律神経活動記録)

iPhoneカメラに指をあてることで以下の時の脈拍を測定していただきます。

  • 安静時
  • 排便前、便意がある時
  • 過敏性腸症候群の可能性があるとされた方は、腹痛がでたとき

(排便記録)

  • 排便時の便性状、腹痛の有無
  • 気分の程度

※排便記録と自律神経活動は1回以上の測定をお願いいたします。研究終了後も日々の腹部症状記録としてご活用頂けます。

プライバシーと安全性

このアプリケーションでは、生年月日以外の個人情報を取得せず、全て個人の同定が不可能な匿名情報のみ収集します。研究参加者に利害は発生しません。スマートフォンの電池の不具合による発生が報告されており、アプリケーション使用時にたまたま熱が発生して、熱傷が生じる可能性がないとは言い切れません。このことを含め、研究参加によるいかなる健康被害、機器破損の発生も補償できません。

アンケートなどの結果は、あくまでも可能性について述べているのみであり、医師の診断ではありません。排便異常や腹痛を生じる疾患は過敏性腸症候群以外にもいくつかあります。不調がある場合は必ず医師の診察を受けてください。

データの使用

研究の結果は学会や医学雑誌等に発表されることがありますが、研究により得られたデータが他の目的に使用されることはありません。データは保管し、あなたから提供された検査データを医療の向上を目的として、現時点では特定されていない将来の研究のために用いる可能性または他の研究機関に提供する可能性があります。

所要時間

この研究にご協力いただくために必要な時間は、初回アンケートの入力について15分程度と、安静時の脈拍測定に1分程度です。加えて、過敏性腸症候群の可能性がある方は、腹痛症状出現時のiPhoneカメラ機能を用いた1分間の脈拍測定と、5分程度の排便時のアンケートを行っていただきます。

アンケートと測定

過敏性腸症候群の可能性判断については、世界共通の診断基準を使用しています。これは世界共通質問紙をもとに日本語版を作成し、同等と検証されたものです。ところどころわかりづらい可能性がある部分について、注釈をつけております。

自律神経活動の測定はiPhoneカメラに指を当てて、血流をもとに脈拍を測定します。自律神経活動は筋肉量や日々の運動などとの関連もいわれており、個人差が出ることがあります。そのため、日々の運動習慣や活動量について、同意を頂けた方のみ、iPhoneのヘルスケアアプリケーションの情報を収集致します。

研究参加は自由です

この研究への参加はあなたの自由です。この説明文書をよく読んでいただき、ご家族と相談するなど十分に考えたうえ、この研究に参加するかどうかをあなた自身の自由な意思で決めてください。参加に同意していただける場合には、同意画面に記名と署名をお願いします。研究に参加しなくても不利益を受けることはありません。研究の参加はいつでも取りやめることができます。この研究の参加の途中であっても、いつでも参加を取りやめることが可能です。

研究参加のメリットとデメリット

メリット

この研究において、日々の腹部症状で困られていた方は、アンケートなどにより過敏性腸症候群の可能性があるか、そうではないか調べることができます。また日本各地の参加者が集まる事により、地域特性に合わせた過敏性腸症候群の啓発に役立ちます。これらにより、将来、あなた自身、または周囲の方でその疾患に罹患された際の治療に役立つ可能性があります。

デメリット

この研究参加において、過敏性腸症候群の可能性があるとわかることが必ずしも利点となるとは限らない場合があります。参加される方の特性によっては、過敏性腸症候群の可能性があるとわかることで悩まれる可能性を了解した上で、参加をして下さい。しかし、これらは現在有効な治療法があり、治療が可能な疾患です。尚、本アプリケーションの目的は研究を介して社会に貢献することですので、参加者及び、その関係者からの相談等には逐一応じることができません。疾患に関する個人的相談は、医師の直接診察を交えて行なうことをおすすめいたします。

研究参加の費用について

本研究の参加について費用はかかりません。また謝礼はありません。

利益相反(企業等との利害関係)について

(本学では、実施責任者のグループが公正性を保つことを目的に同意説明文書において、企業などとの利害関係の開示を行っています。)

本研究の運営資金は文部科学省科学研究費、公財)アステラス病態代謝研究会助成金から支出されており、研究分担者である田中助教は公財)アステラス病態代謝研究会から年間200万円の研究助成金を受入れており、本研究ではその一部が財源となっております。

本研究は、東北大学の実施責任者のグループにより公正に行われます。本研究における企業などとの利害関係については、利益相反マネジメント委員会の審査と承認を得ています。今後、実施責任者等は、本研究における企業等との利害関係に追加・変更が生じた場合、その都度、東北大学の利益相反マネジメント委員会へ申告し審査を受けることにより、本研究との企業等との利害関係についての公正性を保ちます。

研究に関する情報公開の方法

この研究の内容については、データベース(UMIN)に公開予定です。より詳細な研究の計画、研究方法について情報閲覧をご希望される場合、後述のお問い合わせ先にご連絡ください。資料開示は、他の研究対象者の個人情報等の保護、研究の独創性の確保に支障がない範囲内とさせていただきます。

相談窓口

研究についてわからないこと、心配なことがありましたら、相談窓口にお問い合わせ下さい。

(現時点で特定されない研究については実施が未定のため、他の方の個人情報については個人情報保護のため、知的財産については知的財産保護のため、お答えできないことをご了承ください。)

 

研究分担者:田中 由佳里(東北大学東北メディカル・メガバンク機構、助教)

研究責任者:福土 審(東北大学大学院医学系研究科行動医学分野、教授)

※倫理委員会:

患者さんの安全を守る立場から、研究の実施や継続について、専門家や専門外の方々により科学的および倫理的観点から審議を行い、研究機関の長に意見を述べる委員会です。倫理委員会の手順書、委員名簿、委員会の議事要旨等の情報は下記のホームページに掲載されていますのでご参照ください。

  • ・ 名称:国立大学法人東北大学 東北大学大学院医学系研究科 倫理委員会
  • ・ 設置者:国立大学法人東北大学 東北大学大学院医学系研究科長
  • ・ 所在地:宮城県仙台市青葉区星陵町2-1
  • ・ ホームページアドレス:http://www.rinri.med.tohoku.ac.jp/portal/