2017年12月11日

開発者メッセージ

【医学-工学連携の醍醐味】

これまでも多職種連携活動を数多く行ってきましたが、長期間で一つのプロダクト作成はこれが初めてでした。 「このアプリがなければ、この疾患で人生が変わっていたかもしれない」そんな人に1人でも多く行き渡らせる。この想いを軸に進めてきました。

共同開発の東北大学情報工学科の大学院生達は皆明るく、優秀です。全く背景が違うからこそ、常に刺激的で発見の日々でした。しかし皆、ここまで本格的な医療系アプリケーションの経験に乏しく、研究参加者の皆様にはアプリご使用に際し、もどかしい部分があるかもしれません。

前例のないことばかりでありましたが、東北大学には大学全体として柔軟に、多方面からサポートして頂きました。東北大学の「研究第一主義」の伝統、「門戸開放」の理念及び「実学尊重」の精神があったからこそと思います。 これから研究でご協力頂いた皆様のデータを大事に、そして一刻も早く社会に還元できるよう努力して参ります。是非、一人でも多くの人にこのアプリケーションを手に取っていただくことを願っております。(田中)

 

【アプリ開発】

今回のアプリ開発は、僕にとっては挑戦でした。iPhoneは普段から使っていて慣れ親しんでいるものの、本格的にアプリケーションを開発したことはないどころか、開発言語であるSwiftの文法すら知りませんでした。普段から研究では様々な言語を用いているため、どうにか使いこなせるだろうとは思っていたのですが、大きく勝手の異なるこの言語に慣れるまでには予想以上に苦労させられました。

もちろん、アプリを作るのは一人の力だけではとても不可能で、IBSに関しての情報やたくさんのアイデアを出してくれた田中先生、同期の田河くんや平田くんがそれぞれの得意とする分野で力を発揮してくれたからこそ、このようなアプリが完成でこぎ着けたと思っています。

私たちがチームとして作り上げたこのアプリが少しでも、これからのIBS関連分野の研究や、使ってくださるみなさまのお役に立てれば大変光栄に思います。(加賀谷)

 

【脈拍測定開発】

HRV(Heart Rate Variability)は日本語で心拍変動という名前で、その名の通り心臓の心拍の変化を表すものです。みなさんがよく目にする心拍数は最も一般的な心臓の活動を表す値となっていますが、実は同じ心拍数であっても心拍1拍1拍の鼓動の間隔は時々刻々と変化していることがわかっています。この微細な鼓動間隔の変化こそが心拍変動であり、これは自律神経と深い関わりがあることもわかっています。よって心拍変動を分析することで、自律神経の活発度が数値化できるのです。

自分は今回のアプリケーションにおいて、カメラを使って脈拍間隔を測定しそれを自律神経活発度という値を算出するまでのデータ処理方法を加賀谷さんとともに考えました。このアプリは過敏性腸症候群(IBS)の方の日々の便の形状やストレス、HRVを記録できる極めて画期的なものになっています。IBSではないだろうか?と思っている方や、日々のお通じの記録を取りたいと思っている方にはこのアプリはとても役立つものだと思っていますので是非ご活用ください。(田河)

 

【キャラ作成秘話】

一般的に“便”は、多くの方が嫌厭されるものだと思います。しかし本アプリケーション内における診断項目からも分かる通り、実は身体、特に腸の健康状態を知るためにも“便”は医学的に重要な指標となりうるのです。 アプリ内に登場する便のキャラクターは、そのような便の重要性を多くのユーザのみなさんに知っていただき、便に対する険悪感のようなものが少しでも軽減されることを望んで作成しました。 腸内を一生懸命に移動するキャラクターを見て、ぜひ自分の便やその状態に関心を持っていただけたら嬉しく思います。(平田)

 

【画像のこだわりポイント】

医学的なアプリケーションというと、個人的に“すごくお堅いイメージ“がありました。病気に関わることだから内容も難しく、きちっとした計測をしなければいけないようなイメージです。自分であればそのようなアプリを長く継続して利用するのは難しいと考えました。 そのため、自分が本アプリケーションのデザインを担当するにあたり第一に心がけた事が、“キャッチーなデザインを作成すること“でした。 おそらくこのアプリケーションは、IBSという病気で困っている多くの方々の助けになると思っています。しかし、そのためにはアプリをしっかり利用していただくことが不可欠です。IBSで困っている方々が本アプリケーションを利用することに苦痛を感じてしまわないよう、少しでも分かりやすくなるように、少しでも楽しめるように、という思いを込めて各々の絵や色遣いを考えました。 自分の作成したデザインがアプリの利用意欲の向上につながり、結果として少しでも多くの方の助けになることができたら、大変嬉しいです。(平田)